災害看護と備えの部屋

システムの紹介

ここでは「自然災害に対する病院看護部の備え測定尺度(Natural Disaster Preparedness Scale for Nursing Department of Hospital)」を紹介しています。

近年、頻発する災害が問題になっており、災害時は外部から病院へ本格的な救援が入るまでに一定期間を要するといわれる中、貴病院におきましても備えを考える機会はたびたびあると推察いたします。病院はもともと入院している患者を抱えている上に災害によってさらに多くの被災者が訪れる可能性があり、被災時も地域への医療支援のために計画をお持ちのことと思います。このような状況の中、各病院の看護部は、24時間勤務の中で患者や被災者に第一線で対応する看護者を抱え、看護部独自でも災害のための備えに工夫を凝らしている状況と考えています。この尺度は先行文献や資料に基づいて病院看護部が自分の職場における災害への備えの状況をチェックし、今後の備えに役立てるために作成しました。

本尺度のために先行研究や文献から自然災害に対する病院看護部の備え測定尺度項目として、6つの要素に対し、114項目を抽出しました。本尺度への回答時間は、紙面上で約25分程度かかるという結果を得ています。また、本尺度につきましては、信頼性、妥当性の検証も終了しております。

調査は看護部代表者または看護部において災害・防災に関することを任されている看護者(災害看護責任者)の方がご回答下さい。特に病院看護部において防災や災害に関する委員会の代表様が、定期的にご回答頂ければと考えております。

この調査において個人や病院を特定することはありません。本尺度を回答するこのシステムは、今後、自然災害に対する病院看護部の備えに関する研究のために分析され、看護系学会や学術雑誌で公表する予定です。また、ひとつの過去のデータとして、このシステムに回答される方へも紹介されます。記述されたデータの中に万一、個人および病院名が含まれていた場合でも特定されないよう配慮をし、プライバシーの保護に努めます。

本システムはJSPS科研費 25463381の助成を受けて実施しています。

詳細につきましては、プライバシーポリシーサイトポリシーもあわせてご参照下さい。

尺度の説明

米国では、Department of Homeland Security(国土安全保障省:DHS)が、「備え」について6つの重要な活動、「計画」「組織化」「装備」「トレーニング」「予行演習」「評価と改善」を紹介しており、私はこれを手がかりに「自然災害に対する病院看護部の備え」について次にように定義しました。災害に対する病院看護部の備えとは、“病院の看護部が自施設のある地域で起こると考えられる災害に対して専門的知識と技術を用いて事前に努めて堅実に対応できるようにしておく活動のことである。この活動は病院に勤務する他の職員や関連する業者や機関、地域住民との連携を含んでいる。また災害が起こると認識し、脆弱性を分析した上で計画し、組織化、装備、トレーニング、予行演習、評価と改善を連続的プロセスで継続的に行うこと”である。

次に先行研究や文献から自然災害に対する病院看護部の備え測定尺度項目として、6つの要素に対し、要素毎に項目数は異なりますが、114項目を抽出し、完成させました。

尺度の回答のための選択肢は1から4までの4件法を用いました。項目の実施状況に対して、1は「していない」、2は「あまりしていない」、3は「だいたいしている」、4は「している」とし、得点が高いほど、備えられているように配点し、合計点を出すことができます。

本尺度は、114項目とたいへん項目数が多いのですが、作成の段階において項目数を減少させることよりも、具体的に項目が示され、内容がわかりやすく、答えやすいことが必要ではないかと考えて作成しております。

研究者あいさつ

サイトポリシー | プライバシーポリシー
© 2014 災害看護と備え All Rights Reserved.